🐷「ネオンの罠と偽豚の夜 〜ムニャムニャ麺の記憶〜」

魅+夜話(みたすやわ) まちの中華夜話

🌙 山間部の暮らしを離れ、中予の地へ移って数年。
あの“豚”に出会ったのは、そんなある夜のことでした。

仕事帰り、たまたま車で通りかかった街道沿い。
ネオンに浮かぶ見慣れた赤文字——「ラーメン」。

「あれ?まさか……」

思わずUターンし、吸い寄せられるように車を停めた。
空腹も手伝って、ふらりと暖簾をくぐったのが始まりでした。


🍜「豚太郎」と思いきや、「豚次郎」だった

店内はカウンターのみのシンプルなつくり。
メニューも定番だけが並ぶ、ストイックな構成。

私は塩ラーメンと餃子。
相方は焼き飯と餃子を注文。

それは、いつもと変わらぬ流れ。
……のはずでした。


🤔どこかがおかしい

まず出てきたラーメンの麺が「ムニャムニャ」している。
明らかにコシが足りない。
スープは、あの頃のようであの頃ではない。

餃子に至っては、皮が妙に分厚くて、なぜか旨味がない。
そして焼き飯。色が薄くてパラッとしているのに、なぜか味がボヤけている。

相方も私も、一言も発することなく、それぞれの皿を静かに平らげました。
そして店を出た瞬間、ふとネオンを見上げて思ったのです。

「あっ…“豚次郎”って書いてあるやん……」


🐽2番手の悲哀と哀愁

そう、「豚太郎」ではなく「豚次郎」。
2番煎じの名を冠した、いわゆる“影武者系”ラーメン店だったのです。

あの夜の違和感の正体が、すべて腑に落ちました。
でも、不思議と怒りも落胆もなかったのです。

ただ一つ、

「やっぱり、豚は豚でも“あの毒”がなくちゃな」
という感慨だけが、夜の帰り道にぽつりと残ったのでした。


🌀偽者のラーメンにも、思い出は宿る

たしかに「豚太郎」ではなかった。
でもその夜に食べた“豚次郎”には、“本物”を知る者だからこその哀愁がありました。

こういう“似て非なる豚”たちが、各地で静かに息を潜めながら、
本家へのリスペクトなのか、はたまた挑戦状なのか、
微妙なラインを狙っているのかもしれません。


🏷️想定タグ案:

  • #豚次郎の記憶
  • #偽ラーメン発見記
  • #ネオンに騙される夜
  • #ラーメンジャンキーあるある
  • #ムニャムニャ麺事件

✍️一言あとがき:

ジャンキーであればあるほど、ラーメンの細部にはうるさくなってしまうもの。
しかし、その“違和感のある夜”もまた、思い出の味として心に残っているのです。


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