2025-07

味覚とエッセイ

ギターを持たない渡り鳥 ── 父と私と、安っぽさのDNA

渡り鳥とは季節の変わり目など、こうした一定の居住環境を持たない鳥のことを呼ぶのですが、彼らには生まれたときからの記憶とか習性のようなものが備わっているのでしょう。他の国または島で一定時期を過ごすとまた移動をする。人間で言うところの人事異動に...
味覚とエッセイ

🧠電脳化したら、私はくだらないネタの海に溺れるだろう

― 人類と情報の果てに、“私”は残るか ―はじめに:電脳化への誘惑「脳が直接ネットに繋がる未来」と聞いて、あなたは何を想像するだろうか?高度な情報処理、記憶の拡張、意識の複製、あるいは人類の次なる進化。私の場合は違う。想像するのは、ただひた...
味覚とエッセイ

🐡毒をもって身を整える

― フグと郷土料理に見る“パール・ジャム理論” ―🍽️はじめに毒という言葉に、あなたはどんな印象を持っているでしょうか?危険、排除、あるいは死。けれども、料理の世界では毒とは時に“旨味”と紙一重の存在なのです。杜王町の料理人トニオ・トラサル...
魅+夜話(みたすやわ) まちの中華夜話

魅+夜話・季節の一皿|「すけろく」の冷やし中華は、なぜ夏の心に残るのか

こんにちは、《鯛めし茶碗のつぶやき》のコーナー《魅+夜話(ミタスやわ)》より、今回はちょっとした季節の思い出話をお届けします。テーマは――「冷やし中華、はじめました。」その一言を目にするだけで、梅雨の終わりと、蒸し暑い夏のはじまりを感じてし...
魅+夜話(みたすやわ) まちの中華夜話

魅+夜話(ミタスやわ)|第2話:すけろく 〜“おひとりさま”をもてなす町中華〜

町の片隅で、何気なく佇むその看板。だけど、一歩中へ踏み入れれば、そこはまるで“胃袋のパラダイス”。今回お届けする《魅+夜話(ミタスやわ)》の主役は、**愛媛県内で独自のファミレス型町中華としてチェーン展開する「すけろく」**です。■ 愛媛ロ...
味覚とエッセイ

📝「排泄としての哲学、野良牛としての私」―常識に抗う、静かな生存戦略―

日本という社会で生きていると、「こうあってほしい姿」を他人から勝手に期待されることが多すぎる。たとえば、「常識」。それはあくまでも“他人が思う”正常値であり、私の取扱説明書には載っていない。私は私なりに存在しているだけなのに、誰かの手によっ...
猫のある暮らし

🐾夜の見回りは任せろ

🐾~大佐殿、恋の流しに吠える~最近になって、どうやら外の野良猫たちの間にも恋の季節が訪れたようです。日中から夜更けにかけて、我が家の周囲には低く響くオス猫の鳴き声が漂い始めました。それは、どこか哀愁を帯びた、まるで流しのような歌声。しかし、...
味覚とエッセイ

「それなりの県民性のある体型の作り方」

〜狭い日本で、どう生き残るか〜日本は、何かと“狭い”国です。家と家の間の隙間、バスや電車の座席、細い裏路地、さらには人間関係まで——。物理的にも心理的にも、ギュウギュウ詰めな日常のなかで、私たちはどんな体型で、どんな振る舞いをすれば「うまく...
味覚とエッセイ

ゴルゴ商売学

――床屋と漫画と、おっさんたちの人生講義先ほど、夏に向けて子猫たちをダニシャンプーで洗っていたのですが――ふと、不思議なことに幼少期の床屋の風景が頭をよぎりました。私にとって、あの頃の床屋というのはただ髪を切る場所ではなく、**「おっさんた...
猫のある暮らし

潔きもの、天と申す ー 我が家に舞い降りた見習い猫 ー

はじめに : 新入り猫 天(てん)の登場はじめに我が家に新しい猫がやってきました。名前は「天(てん)」。まるで空からふわりと落ちてきたように、不思議な縁でこの家にやってきた子です。まだ声も小さく、体もひとまわり小さいこの子が、今、家の猫社会...