郷土の味と記憶

味覚とエッセイ

母恵夢とわたしの季節

ふと、あの袋を見かけると、少しだけ足を止めたくなる。「母恵夢」。白あんをしっとり包んだ、やさしい焼き菓子。愛媛に住んでいる人なら、きっと一度は誰かから手渡されたことがあると思う。スーパーの入り口近く。季節の味が出ると、少し目立つ場所に並べら...
郷土の味と記憶

✅【第2部】現代編 いもたき、一人で味わう贅沢 ― 現代の鍋スタイルと私の食卓

冒頭キャッチ・リード文:【第50記事:郷土の味を辿る《後編》】郷土料理は、誰かのために作るもの──そう思っていた。けれど、現代の暮らしの中で「一人の時間に寄り添ういもたき」もまた、郷土料理のかたちではないか?本稿では、新たなスタイルと視点か...
郷土の味と記憶

✅【第1部】歴史編 いもたきに宿る記憶 ― 火と水と人が交わる郷土の味

冒頭キャッチ・リード文:【第50記事:郷土の味を辿る《前編》】秋の風物詩「いもたき」の背後には、幾重にも重なった記憶と文化が眠っています。本稿では、火・水・人が織りなす郷土料理の背景を辿りながら、その意味を改めて見つめ直します。はじめに秋の...
郷土の味と記憶

祖母が教えてくれた味。炊き込み風・松山鯛めしの記憶

子供のころ、祖母の家の台所から漂ってくる香ばしい匂いが、今もふとした瞬間に記憶の底から立ちのぼってきます。あの香りの正体は、「松山鯛めし」。鯛の身からしみ出る旨味が、ふっくらと炊き上がった米ひと粒ひと粒に染み渡っていた、あのご飯です。このレ...
郷土の味と記憶

鯛そうめんの由来とは?昔話に登場する豪華な郷土料理

鯛そうめんの魅力と歴史を探る愛媛県の郷土料理「鯛そうめん」。今ではお祝い事や特別な日に登場する料理として知られていますが、実は昔話にも登場するほど歴史が深い料理です。今回は、ある村の昔話とともに、鯛そうめんの魅力をお伝えします。昔話に登場す...
味覚とエッセイ

かたちは変われど、郷土の味は生きている ― 日向飯・いもたき・さつま飯に見る“記憶の継承”

はじめに郷土料理が消えてしまう――そんな言葉を聞くたびに、少し違和感を覚えることがあります。確かに、昔ながらの手間のかかる料理を家庭で毎日作ることは難しくなりました。しかし私は思うのです。「郷土料理は、かたちを変えながら今も息づいている」と...
郷土の味と記憶

ジャック・ハンマー式 HYUーGAMES(ひゅうがめし)

〜脳を破壊するうまさで郷土を鍛えろ〜愛媛県の郷土料理「ひゅうが飯」は、かつて漁師たちが漁の合間にスタミナ補給として食べていたエネルギー食。その素朴な味わいが、なぜか今、筋肉と狂気の申し子・ジャック・ハンマーによって“異常進化”を遂げつつあり...
郷土の味と記憶

お米がなくても楽しめる!現代風アレンジ「ひゅうが飯」のススメ

近年、米の価格高騰や食生活の多様化によって、主食を米から別のものにシフトする家庭も増えています。しかし、そんな時代だからこそ、郷土料理を柔軟に進化させることが求められているのではないでしょうか。今回は、愛媛県の郷土料理「ひゅうが飯」を、“ご...
郷土の味と記憶

魅+夜話・季節の一皿|やよい軒の「冷汁定食」と、我が家の“夏の開幕”

クーラーをつけてもいいのは、7月から。それが、私の家の“夏のルール”です。扇風機でしのぐ6月の終わり、じっとりと肌にまとわりつく空気にため息をつきながら、カレンダーの1日を指でなぞる日々。そして、7月。リモコンの「冷房」ボタンを押すとき、ふ...
郷土の味と記憶

愛媛には狐がいない?お稲荷さんと「松山あげ寿司」の意外な関係

愛媛県の郷土料理「松山あげ寿司」をご存じでしょうか? 巻き寿司の海苔の代わりに「松山あげ」を使った、風味豊かで軽やかな一品です。実はこの「松山あげ寿司」と、お稲荷さんにまつわる興味深い話があるのをご存じでしょうか?愛媛県に狐が住まない理由愛...