~ 陶芸初心者が語る創作の楽しみ ~
【考察】器とわたし──100円ショップと土のあいだで
最近、100円ショップで売られている器にふと目を奪われることがあります。
繊細な模様、すっきりとしたフォルム、そして耐熱性まで備えたグラス──
どれも「これで本当に100円?」と思ってしまうほど美しく、実用的です。
量産品でありながら、そこには確かに“デザイン”の息吹があります。
それでも私は、そんな既製品とは正反対の、土の塊と向き合う時間に、どうしようもなく惹かれてしまうのです。
皆さんは、器を選ぶとき、どんなことを大切にしていますか?
使いやすさ、価格、収納のしやすさ……きっと色々な基準があると思います。
私にとっての陶芸は“創作活動”そのものであり、同時に“対話”のようなものです。
とはいえ、まだまだ初心者。
ろくろの上で「お、形になりそう」と思った途端に傾きはじめたり、
1日かけても結局うまくいかず、また粘土に戻してやり直し……なんてこともよくあります。
たぶん、合理性だけで言えば、100円ショップの器に勝るものはないでしょう。
それでも私は、失敗するこの過程こそが面白くてたまらないのです。
こねて、作って、崩して、またこねる。
どうしてうまくいかなかったのか、何が原因だったのかを考えながら、
別のやり方を探してみる──まるで自分の内側と向き合っているような時間です。
最終的には、どこかいびつで、見る人によっては「味があるね」で片づけられるような器かもしれません。
それでも、自分の手で試行錯誤したからこその“物語”が、その器には宿っているのです。
「ここがこうなったのは、前にこのやり方で失敗したから、こんなふうに工夫してみた」
そんなふうに語れる器があるのも、なんだか嬉しいものです。
皆さんは、失敗と向き合うような時間に、何か楽しさを感じたことはありませんか?
私にとっては、それが“土と向き合うこと”だったのかもしれません。
きっとこれからも、たくさん失敗するでしょう。
でも、そのたびに少しずつ、自分なりの器が“進化”していく。
そんな過程も、悪くないと思っています。
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